iPhoneの置き場による違いってどのくらいあるの?

 G-Bowアプリをお使いの際、iPhoneは車のどこに置いてますか? 公式サイトでは「とにかく振動が少ない場所に置く、スマホスタンドはお勧めしない」と書かれて言いますが、そうは言っても見やすいところの置きたいと考える方も少なくないと思います。

 という事で、今回、一番安定性が良さそうな助手席のフロア vs 一番見やすそうなメーターコラム上のスマホスタンド で比較してみました。

フロア置き

スタンド

 2台のiPhoneを使って同時に計測します。両者のグラフにどのくらい違いが出るか?という事です。さっそく見てみます。


 上段のグラフがフロア置き、下段のグラフがスタンドです。全体的に見てスタンドの方がギザギザしたグラフになっており、強めにブレーキを踏んだ際(青い山のグラフ)には振動の影響と思われる凹みが見られます。この差をどう見ますか?

 実際のブレーキペダル操作は上段グラフのように行っていた訳ですから、スタンド設置のグラフは実際の運転操作を正確に表していないと言えます。繊細な運転の分析には向かないと言えるでしょう。

 ただ、全体の傾向としては大きく違いませんし、ブレーキやアクセルの最大Gもほぼ同じ強さを表しています。走行中に画面を凝視することも無いでしょうから、ボールを落とさない練習など用途によっては実用の範囲とも言えます。


 次にもう少し詳しく見る為に、先のグラフの「生データ」がどうなってるか見てみます。Opt.ボタンを押してメニューから「生データ(破線)を表示」を選択します。

 

 グラフ中、白い点線が生データです(生データというのはGセンサーから読み込んだそのままの値です)。え?こんなに違うの?と思いませんか? そうなんです。フロア置きとスタンド設置ではこんなに違うんです。

 スタンドでもそれなりに整ったグラフに見えていたのはアプリによる振動ノイズ処理のおかげだったという訳です。程良くノイズカットされていると思います(このあたりがノウハウでもあります)。

 実際、乗員の頭がこんなふうに激しく振動している訳ではありません(単にダッシュボード上の振動を拾ってるだけです)から、ノイズ処理したグラフで運転のイメージを掴むのは間違いではありません(必ずしも「生データが真実」ではないという事ですね、何を計っているかが問題です)

 もちろん繊細なブレーキワークを分析したい等の場合には、フロア置きのような低ノイズのデータで検証したいものです。ですので、やはり理想は「できるだけ振動の少ない所の設置」となりますが、用途に合わせて使い分けてもらえたらと思います。

 最後に、フロアマット下に置く方法はだいたいどの車種でもキレイなグラフになりますが、スタンド設置やセンターコンソール設置でどのくらい振動を拾うかは車種や使用するスタンドで大きく変わります。ですので、ぜひ一度ご自身の設置環境で生データをチェックし、フロア設置とどのくらい差があるかチェックしてみることをお勧め致します。